樽酒の話
こんにちは。
旨い酒飲んでますか!?
さて今回のネタは『蔵の匠』が語るちょこっと勉強!
「樽酒の話」
知らぬ間に「五代目」から次回予告されていましたので、今回は「樽酒」についてのお話になりました。
まあ、自動的にネタが決まってくれたので良しとしましょう。
いまでこそ、杉樽に入れられた樽酒の涼しげな香りを「木香」といいますが、大正期にホーロータンクが開発されるまでは、お酒の製造から貯蔵まで大きな木桶で行っていますので、お酒には木香があるのが当たり前でした。
同時期にガラスビンの自動製造も始まりますが、それ以前はいわゆる「通い徳利」以外はお酒の流通にも樽が用いられていました。時代劇で大八車に4斗樽が積み上がっていたりしますね。
構造としては、杉板数枚を円形に組んだ円筒形(ただし底より天の方が少し径が大きい)に底板と天蓋の円形板(鏡)をはめ込んで竹のタガで締め込みます。
当然、接着剤やパッキンなど一切使いませんので、実は出来上がった樽の密閉性は完璧ではありません。
蔵元で樽酒を詰める場合、まず新樽に熱湯を張り込みます(湯篭り)。
湯篭りによって新樽のアクが抜け木香も上品になりますが、同時に樽が吸水することで膨張し杉材同士が圧着して水漏れが止まります。
これでようやく液体容器としての樽が完成したといえます。
さて、時代劇で見る樽は飾り気のない木目の裸樽ですが、神社などで目にする樽には銘柄が派手に描かれたゴザのようなもので包まれています。
これは「菰(こも)」という藁の編み物で、もとは樽の保護材でしたが、やがて包装紙的な意味合いで銘柄・屋号などがデザインされるようになったものです。(ちなみに、飾り樽の菰は藁ではなく化学繊維製です)
「包む」とはいっても長方形の菰で天地の径が異なる偏円筒形の樽をキレイに包むにはかなりの技術を要します。
菰を樽に巻きつけたら底と天を見栄え良く飾り紐で編み込み、荒縄で縦四方に締め上げてさらにその荒縄にも飾り紐を廻します。
1本仕上げるのに約1時間。
4斗(72L)入りなら総重量80kg程度の樽をクルクルと転がしながら締め上げていきますが、まさに樽との格闘、終わった頃には体中ガクガクです。
もし機会があればぜひ見ておきたい、酒蔵の隠れた職人技ですよ